体験的な学習のねらいは、「役割演技などの疑似体験的な表現活動を通して、道徳的価値の理解を深め、様々な課題や問題を主体的に解決するために必要な資質・能力を養う」ことである。
この体験的な学習では、子どもが道徳的な問題場面において取り得る行動について役割演技をしたり、道徳的行為に関する体験的な活動を行ったりすることができる。
例えば、実際の問題場面を役割演技で再現し、登場人物の葛藤などを理解すると共に、問題場面で取りうる行動について多面的・多角的に考え、その問題を解決する資質・能力を養う。
それゆえ、従来の役割演技や動作化のように主人公の心情を理解するための指導法とは異なる。
また、教材で提示された問題と共通した新たな場面を提示して、取りうる行動を再現し、道徳的価値や実現するために大切なことを体感することを通して実生活における問題の解決に見通しをもたせる。
このように道徳的問題の解決方法を別場面に活用・応用することを考え議論することで汎用力を育成することもできる。